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法令上の制限「数字」総まとめ

開発許可・建蔽率・農地法・国土法を、条文根拠つきで一覧に

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法令上の制限は8問。範囲が広いわりに配点が小さいので、後回しにされがちな科目です。ところが実際の出題を見ると、結論が数字で決まる論点がかなりの割合を占めます。1000㎡なのか3000㎡なのか、2週間なのか30日なのか、知事なのか市町村長なのか。理屈を理解していても数字が出てこなければ0点、逆に理屈があやふやでも数字を知っていれば当たる——そういう科目です。※この記事の数字は、すべて2026年9月時点で施行中の条文本文で確認しています。

そこでこの記事では、法令上の制限で暗記が必要な数字と主体だけを、e-Gov法令検索で条文本文を確認したうえで一覧にしました。テキストの通読ではなく、直前期に「言えるか」を確かめる用途で使ってください。

500㎡盛土規制法/条例の下限
1000㎡開発許可・市街化区域
2000㎡国土法・市街化区域
3000㎡開発許可・非線引き/準都市
5000㎡国土法・市街化区域以外
10000㎡(1ha)開発許可・国土法とも区域外

図1:この科目で覚える面積を、大きさの順に並べたものさしです。棒の長さは1haを100%とした比率で描いています。※出典=e-Gov法令検索(都市計画法・同施行令/国土利用計画法/宅地造成及び特定盛土等規制法施行令。2026年9月時点で施行中の条文)。

1. 都市計画法:開発許可が要る/要らない面積

最頻出です。開発行為(建築物の建築等の目的で行う土地の区画形質の変更)をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければなりません。指定都市・中核市の区域内ではその市の長が許可権者になります(都市計画法29条1項)。

そのうえで、「規模が小さければ許可不要」という例外が区域ごとに定められています。

区域許可が不要になる規模根拠
市街化区域1000㎡未満(首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域を含む市町村等では500㎡未満法29条1項1号+施行令19条1項・2項
区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き)・準都市計画区域3000㎡未満法29条1項1号+施行令19条1項
市街化調整区域規模による例外なし(面積が小さくても原則として許可が必要)法29条1項1号(同号に市街化調整区域が含まれていない)
都市計画区域・準都市計画区域1ヘクタール(10000㎡)未満法29条2項+施行令22条の2

図2:開発許可が不要になる規模を区域別に。市街化調整区域だけ規模の例外が置かれていません。※出典=e-Gov法令検索(都市計画法29条・同施行令19条・22条の2。2026年9月時点)。

さらに、上の1000㎡・3000㎡は条例で300㎡以上の範囲まで引き下げられると施行令19条1項ただし書に書かれています。「条例で引き上げることができる」は✕、「500㎡まで引き下げられる」も範囲の下限を誤っています。

規模以外にも、目的で許可が不要になる類型が29条1項に並んでいます。

  1. その土地がどの区域にあるかを確定します。市街化調整区域なら、この時点で規模の例外は使えません。
  2. 規模を図2に当てます。ここで「未満」なら許可は不要です。
  3. 規模で切れなければ、目的を見ます。農林漁業用、公益上必要な建築物、都市計画事業等なら許可不要です。
  4. 3つとも通らなければ、都道府県知事(指定都市・中核市ではその市の長)の許可が要ります。

図3:開発許可の肢を読む順番です。※順番は筆者の整理で、条文が定めているものではありません。判定に使う数字と例外は図2および本文の条文番号を参照してください。

間違えやすい点:農林漁業用建築物の例外は市街化区域では使えません。「市街化区域内で農業用倉庫を建てる目的の1500㎡の開発行為は許可不要」は✕になります。

2. 建築基準法:道路・建蔽率・容積率・高さ

道路と接道(42条・43条)

まず、幅員の数字が3つ出てきます。

建蔽率(53条)

用途地域都市計画で定められる数値
第一種・第二種低層住居専用、第一種・第二種中高層住居専用、田園住居、工業専用3/10・4/10・5/10・6/10 のいずれか
第一種・第二種住居、準住居、準工業5/10・6/10・8/10 のいずれか
近隣商業6/10・8/10 のいずれか
商業8/10(固定)
工業5/10・6/10 のいずれか
用途地域の指定のない区域3/10・4/10・5/10・6/10・7/10 のうち特定行政庁が定めるもの

図4:建蔽率として都市計画で定められる数値。商業地域だけが一択である点が問われます。※出典=e-Gov法令検索「建築基準法」53条1項(2026年9月時点)。

緩和は次のとおりです(53条3項・6項)。

条件効果
防火地域内(建蔽率の限度が8/10とされている地域を除く)の耐火建築物等/準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等+1/10
街区の角にある敷地等で特定行政庁が指定するもの(いわゆる角地)+1/10
上の両方に該当+2/10
建蔽率の限度が8/10とされている地域かつ防火地域内にある耐火建築物等建蔽率の制限を受けない(10/10)

図5:建蔽率の緩和。最下段だけが「加算」ではなく「制限が外れる」である点が、この表のいちばんの読みどころです。※出典=e-Gov法令検索「建築基準法」53条3項・6項(2026年9月時点)。

「防火地域内の耐火建築物ならいつでも+1/10」は✕です。8/10の地域では加算ではなく制限そのものが外れるため、加算の対象から除かれています。ここは条文の括弧書きを読まないと出てこない差です。

容積率(52条)と高さ(55条)

容積率は、都市計画の数値をそのまま使えないことがあります。

出典:e-Gov法令検索「都市計画法」同「都市計画法施行令」同「建築基準法」(いずれも2026年9月時点)。

3. 農地法:3条・4条・5条は「誰の許可か」で分かれる

農地法は数字より主体で問われます。ここだけは表で丸暗記してください。

条文対象許可権者市街化区域内の特例
3条農地・採草放牧地の権利移動(転用しない)農業委員会なし
4条農地の転用(権利移動を伴わない)都道府県知事等(=都道府県知事または指定市町村の長)あらかじめ農業委員会に届出で足りる
5条転用目的の権利移動都道府県知事等あらかじめ農業委員会に届出で足りる

図6:農地法は数字ではなく主体で決まります。3条だけが農業委員会で、3条だけに市街化区域の特例がありません。※出典=e-Gov法令検索「農地法」3条・4条・5条(2026年9月時点)。

「3条にも市街化区域の届出特例がある」は✕です。特例は4条1項7号・5条1項6号にしかありません。また、届出はあらかじめ行うもので、「転用後遅滞なく届け出る」は✕です。

古い教材に注意(ただし「4haが消えた」わけではありません)。かつて「4ヘクタールを超える農地の転用は農林水産大臣の許可」というルールがありました。この許可権限は平成27年法律第50号(第5次地方分権一括法)により2016年4月1日に廃止され、知事等へ移譲されています。4条1項・5条1項は面積にかかわらず「都道府県知事等」の許可です。ただし「4ヘクタール」という数字自体は残っています。農地法附則2項1号により、知事等は当分の間、4haを超える農地の転用について4条1項の許可をしようとするときは、あらかじめ農林水産大臣に協議しなければなりません。協議であって許可ではないのがポイントです。試験では「大臣の許可」=✕、「知事等の許可+大臣協議」=現行、と切り分けてください(e-Gov法令検索の条文本文で2026年8月に確認)。
この4haの話は、僕が教材を作る過程で自分の原稿の誤りに気づいた論点です。条文で確かめた経緯をnoteに書きました(無料)。
宅建「4ha超は農林水産大臣の許可」はもう誤り

4. 国土利用計画法:事後届出は「2週間・2000㎡」から

土地売買等の契約を締結した場合、権利を取得することとなる者(権利取得者)が、契約を締結した日から起算して2週間以内に、土地が所在する市町村長を経由して都道府県知事に届け出ます(23条1項)。

区域届出が必要になる面積
市街化区域2000㎡以上
市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域・非線引き)5000㎡以上
都市計画区域外(準都市計画区域を含む)10000㎡(1ha)以上

図7:国土法の事後届出が必要になる面積。図2の開発許可と、区域の区切り方も数字も違います。※出典=e-Gov法令検索「国土利用計画法」23条2項1号(2026年9月時点)。

条文は「その面積が◯㎡未満の土地について契約を締結した場合には適用しない」という書き方なので、上の面積は以上で届出が必要になります(23条2項1号)。また、一団の土地として権利を取得する場合は、合計で判定します。

混同しやすい数字:開発許可の「市街化区域1000㎡」と、国土法の「市街化区域2000㎡」。どちらも市街化区域の話なので入れ替えられます。開発=1000、国土法=2000。国土法のほうが数字が大きい、と紐づけて覚えてください。

出典:e-Gov法令検索「農地法」同「国土利用計画法」(いずれも2026年9月時点)。

5. 盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)

旧「宅地造成等規制法」が改正・改称されたもので、法律名が変わっている点自体がひっかけになります。宅地造成等工事規制区域内で行われる宅地造成等に関する工事は、工事主が工事に着手する前に都道府県知事の許可を受けなければなりません(12条1項)。「工事完了後に届け出る」は✕です。

許可の対象となる「宅地造成」等の規模は施行令3条に定められています。

形質の変更規模
盛土高さ1mを超える崖を生ずるもの
切土高さ2mを超える崖を生ずるもの
盛土と切土を同時に行う場合合わせて高さ2mを超える崖を生ずるもの
崖を生じない盛土高さ2mを超えるもの
上のいずれにも当たらない盛土・切土土地の面積が500㎡を超えるもの

図8:許可が要る宅地造成等の規模。上の2行の非対称(盛土1m・切土2m)がこの表の核心です。※出典=e-Gov法令検索「宅地造成及び特定盛土等規制法施行令」3条(2026年9月時点)。

盛土は1m、切土は2m。この非対称が問われます(盛土のほうが崩れやすいので厳しい、と理屈で覚えると忘れません)。

6. 土地区画整理法:制限がかかる期間を押さえる

この分野で問われるのは、制限が始まる時点と終わる時点です。

出典:e-Gov法令検索「宅地造成及び特定盛土等規制法」同「宅地造成及び特定盛土等規制法施行令」同「土地区画整理法」(いずれも2026年9月時点)。

まとめて確認:入れ替えられやすい数字ペア

混同しやすいペア正しい対応
1000㎡ / 2000㎡開発許可(市街化区域)=1000㎡、国土法の事後届出(市街化区域)=2000㎡
3000㎡ / 5000㎡開発許可(非線引き・準都市)=3000㎡、国土法(市街化区域以外の都市計画区域)=5000㎡
1ha(10000㎡)開発許可(都市計画区域外)=1ha、国土法(都市計画区域外)=1ha ※ここだけ一致する
4m / 2m道路の幅員=4m、接道義務=2m
盛土1m / 切土2m崖の高さ。盛土のほうが小さい(=厳しい)
2週間 / 30日国土法の事後届出=2週間(宅建業法の変更の届出・廃業等の届出が30日なので混ざる)

図9:入れ替えで作られやすい数字のペアだけを抜き出した表です。※各数字の根拠条文は本文の各節に記載しています(e-Gov法令検索・2026年9月時点)。

最後の「2週間/30日」のように、科目をまたいだ入れ替えも出ます。宅建業法側の数字と語尾のパターンは宅建業法の「引っかけ肢」総まとめに整理してあるので、セットで確認すると取りこぼしが減ります。

数字は「読んで覚える」より「聞かれて答える」ほうが定着します。 宅建GYMは無料・登録不要の一問一答。法令上の制限も肢単位で回せるので、上の表を音読したあとの確認に使ってください。 → 宅建GYMで一問一答を解く(無料)

法令上の制限は「何点取れば十分か」

法令上の制限は8問です。※合格基準点は年度ごとに決まるもので、事前に公表されている数字ではありません(出典=不動産適正取引推進機構の合格発表。2026年9月時点で令和8年度の基準点は未発表)。過去の水準である35点前後を仮に置くと、ここは5〜6点取れれば十分です。都市計画法の細かい地域地区や、建築基準法の集団規定の全体を完璧にするのは時間対効果が悪い。この記事の数字を確実にしたうえで、残りは「よく出る論点だけ」に絞るのが現実的です。

科目ごとの時間配分と、直前期に何を捨てるかは直前期2か月の勉強法にまとめています。※令和8年度の本試験日は2026年10月18日です(出典=不動産適正取引推進機構の試験案内・2026年9月時点)。独学で範囲の取捨選択が判断できないという人は、講座のカリキュラムに乗ってしまうほうが早い場合もあります。

まとめ

次の1アクション

今日は図1のものさしだけを声に出して言えるようにしてください。面積の順番が入っていれば、開発許可と国土法の入れ替え肢はその場で切れます。 → 開発許可の一問一答で確かめる(無料)

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