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独学で宅建を受ける人の多くは「5問免除」を持っていません。つまり問46〜50の5問も自分で解くことになります。ところが市販テキストではこの5問の扱いが薄く、直前期に手つかずのまま本番を迎える人がかなりいます。
ここははっきり言って、いちばんコスパの良い5問です。範囲が狭く、答えが有限で、権利関係のように理屈をこねる必要がありません。この記事では、免除制度の正確な中身(条文で確認)と、5問それぞれの現実的な狙い方をまとめます。
図1:本試験50問の内訳。この記事が扱うのは下から2番目の5問です。※出典=不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」(2026年9月時点)。棒の長さは最大の20問を100%とした比率です。
この記事の内容
▸ そもそも「5問免除」とは何か(条文で確認) ▸ 免除がない人へ:この5問は「捨て問」ではない ▸ 問46:住宅金融支援機構 ▸ 問47:景表法(表示規約) ▸ 問48:統計 ▸ 問49・問50:土地と建物 ▸ いつ手をつけるか(残り2か月の組み込み方) ▸ 「来年は免除を使いたい」と思ったら ▸ まとめそもそも「5問免除」とは何か(条文で確認)
免除の根拠は、条文を3つたどると確定します。
- 宅地建物取引業法16条3項が、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う登録講習の修了者について、試験の一部を免除すると定めています。
- その中身は同法施行規則10条の14にあります。免除されるのは施行規則8条の第1号と第5号です。
- 施行規則8条1号=土地・建物、5号=需給に関する法令および実務。これが問46〜50に当たります。
図2:免除の根拠条文のたどり方。※出典=e-Gov法令検索(2026年9月時点で施行中の条文)。
施行規則10条の14の文言は次のとおりです。
その施行規則8条の1号・5号は、次の2つです。
- 1号:土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること(=土地・建物)。
- 5号:宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること(=住宅金融支援機構・景品表示法・統計)。
試験実施機関である不動産適正取引推進機構も、試験は50問・四肢択一式で、登録講習修了者は45問になると案内しています。本試験の問題冊子にも、登録講習修了者は問46から問50を解答しない旨の注記が入ります。つまり免除される5問=問46〜50です。
出典:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」16条/同「宅地建物取引業法施行規則」8条・10条の14/不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」(いずれも2026年9月時点)。
免除がない人へ:この5問は「捨て問」ではない
免除がある人は45問で、ない人は50問で勝負します。免除がない側にとって問46〜50は、免除組と差がつかない代わりに、落とすと一方的に不利になる5問です。しかも他の45問と違って、ここは「時間をかけたぶんだけ素直に返ってくる」領域です。
そして重要なのは、この5問の性質です。
| 問 | テーマ | 性質 | 現実的な目標 |
|---|---|---|---|
| 問46 | 住宅金融支援機構 | 業務の範囲を覚えるだけ。範囲が狭い | ◎ 取りにいく |
| 問47 | 景品表示法(不動産の表示に関する公正競争規約) | 数字と定義。広告のルールなので直感も効く | ◎ 取りにいく |
| 問48 | 統計 | 直前に数字を入れれば取れる | ◎ 取りにいく |
| 問49 | 土地 | 暗記より常識。過去問の焼き直しが多い | ○ 過去問+消去法 |
| 問50 | 建物 | 建築の基礎知識。深追いすると底なし | △ 深追いしない |
図3:5問の性質と目標。※「性質」「現実的な目標」の欄は筆者の整理で、出題機関が公表しているものではありません。
46・47・48はやれば取れる3問、49・50は過去問と常識で拾う2問。これで4点が現実的なラインです。5問すべてに同じ時間を割く必要はありません。
問46:住宅金融支援機構は「自分で貸すのか、買い取るのか」
問46は独立行政法人住宅金融支援機構が対象です。出題の中心は業務の範囲で、根拠は住宅金融支援機構法13条です。ここを読んでおくと、肢の◯✕が驚くほど素直に決まります。
押さえる骨格
- 一般の住宅取得資金は「買い取る」:機構の1号業務は、住宅の建設・購入・改良に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権を譲り受けることです(いわゆる証券化支援・買取型)。機構が申込者に直接貸すのではなく、金融機関が貸した債権を機構が買い取る、という形が基本形です。
- 機構自身の貸付けが条文に列挙されている分野もあります。下の図4の6分野です。
- 住宅融資保険(3号)と情報提供・相談その他の援助(4号)も機構の業務です。
- 団体信用生命保険(12号):あらかじめ契約を結び、その人が死亡した場合(重度障害を含む)に支払われる保険金等を、貸付けに係る債務の弁済に充当する業務が明記されています。
| 号 | 機構が自ら貸し付けられる分野 |
|---|---|
| 5号 | 災害復興建築物の建設・購入、被災建築物の補修 |
| 6号 | 災害予防、地震に対する安全性の向上のための改良 |
| 7号 | 合理的土地利用建築物の建設・購入、マンション共用部分の改良 |
| 9号 | 子育て家庭・高齢者家庭向けの賃貸住宅の建設・改良 |
| 10号 | 高齢者向けの住宅改良 |
| 11号 | 住宅の省エネルギー性能の向上のための改良 |
図4:機構法13条のうち、機構が自ら貸し付ける側に並んでいる分野。※出典=e-Gov法令検索「独立行政法人住宅金融支援機構法」13条(2026年9月時点)。ここに無いもの(一般の住宅取得資金)は「買い取る」側だと判断できます。
この骨格だけで、「機構は一般の住宅ローンを自ら貸し付けるのが原則である」「機構は団信を扱っていない」といった肢は切れます。逆に、災害・省エネ・バリアフリー・子育て/高齢者向け賃貸といったキーワードが出たら「これは機構自身の貸付けとして条文にある側だな」と反応できれば十分です。
出典:e-Gov法令検索「独立行政法人住宅金融支援機構法」13条(業務の範囲)(2026年9月時点)。
問47:景表法は「規約と施行規則の数字」で決まる
問47は不当景品類及び不当表示防止法(景表法)ですが、実際に問われるのは、その下にある不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則の具体的ルールです。広告の話なので身近ですが、数字は正確に覚える必要があります。
確実に覚える3つ
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 徒歩の所要時間 | 徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示する。1分未満の端数が生じたときは1分として算出する(切り上げ)。例:500m ÷ 80m = 6.25 → 7分 |
| 新築・中古の区別 | 規約上、中古住宅は「建築後1年以上経過し、又は居住の用に供されたことがある一戸建て住宅」と定義される。裏を返せば、新築と呼べるのは建築後1年未満かつ未入居のものだけ(中古マンションも同じ定義) |
| 特定事項の明示義務 | 市街化調整区域に所在する土地(開発許可を受けているもの等を除く)は「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント以上の文字で明示する。建築基準法42条の道路に2メートル以上接していない土地は「再建築不可」または「建築不可」と明示する |
| 道路距離 | 80mで割ると | 表示できる所要時間 |
|---|---|---|
| 400m | 5.00 | 徒歩5分 |
| 480m | 6.00 | 徒歩6分 |
| 500m | 6.25 | 徒歩7分(端数は切り上げ) |
| 560m | 7.00 | 徒歩7分 |
| 561m | 7.01 | 徒歩8分 |
図5:徒歩の所要時間は「道路距離80mにつき1分・端数は切り上げ」で決まります。※出典=不動産の表示に関する公正競争規約施行規則(2026年9月時点)。直線距離ではなく道路距離である点も出ます。
「徒歩7分は560m以内という意味である」「駅から600mなら徒歩7分と表示してよい」といった肢は、80mで割って端数を切り上げるだけで判定できます。また、団地と駅などの施設との距離は、その施設から最も近い団地内の地点を起点・着点として算出する、というルールもあわせて押さえておくと安全です。
出典:不動産公正取引協議会連合会公表の「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」(徒歩所要時間・用語の定義・特定事項の明示義務)/首都圏不動産公正取引協議会「徒歩所要時間について」。規約は改正されることがあるため、直前期には最新版で確認してください(本記事は2026年9月時点の規約で確認)。
問48:統計は「直前に入れて、直前に出す」
統計は、覚えるタイミングを間違えると全部無駄になる問題です。8月に覚えた数字は本番までに確実に薄れますし、そもそも年度で数字が変わります。9月下旬〜10月に一気に入れるのが正解です。
2026年度に出る可能性の高い数字(地価公示、住宅着工戸数、宅建業者数、土地取引件数、法人企業統計など)は、出どころの公表資料とあわせて別記事にまとめています。
問49・問50:土地と建物は「深追いしない」のが正解
問49(土地)と問50(建物)は、施行規則8条1号の「土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること」が範囲です。範囲の書き方からして広く、まともに勉強すると際限がありません。ここに時間を注ぐくらいなら、宅建業法の1点を確実にしたほうが合格に近づきます。
現実的な取り組み方
- 過去問だけを回す。新しいテキストや建築の入門書に手を出さない。この2問は過去問の焼き直しが多く、逆に過去問の外から出たものは受験生の大半が落とします(落としても差がつきません)。
- 言い切りの肢を疑う。「〜であるから安全である」「〜はまったく問題ない」のように、リスクをゼロと断じる肢は誤りであることが多い。土地・建物の問題は、危険を軽視する方向の記述を誤りにする傾向があります。
- 地形は「水がどこに集まるか」で考える。宅地としての向き不向きは、結局のところ水と地盤の話に還元されます。国土交通省のハザードマップポータルサイトで自分が住んでいる場所を見ると、低地・埋立地・造成地といった用語が一気に腹落ちします。
- 建物は用語の対応だけ。木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の特徴と、耐震・制震・免震の違いのように、対応関係がはっきりしているものだけ確認する。細かい施工の話には踏み込まない。
参考:国土交通省 ハザードマップポータルサイト(2026年9月時点)。
いつ手をつけるか(残り2か月の組み込み方)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 8〜9月 | 問46(機構)と問47(表示規約)を、過去問10年分+上の骨格でひととおり固める。合計で数時間あれば足ります |
| 9月下旬 | 問49・50の過去問だけを通しで一周。知らない用語は深追いせず、選択肢の言い回しに慣れる |
| 10月(直前) | 問48(統計)の数字を入れる。同時に問46・47をもう一周して数字を戻す |
図6:残り2か月への組み込み方。※本試験は2026年10月18日(令和8年度・不動産適正取引推進機構の試験案内による)。時期の割り振りは筆者の整理です。
直前期の全体スケジュールは直前期2か月の勉強法にまとめています。あわせて、法改正の反映漏れがないかは2026年度の法改正まとめで確認してください。
「来年は免除を使いたい」と思ったら
免除を受けられるのは登録講習の修了者だけで、修了試験に合格した日から3年以内の試験が対象です(施行規則10条の14)。受講できる人の条件や日程は登録講習機関ごとに異なるため、検討する場合は各機関の公式案内で確認してください。なお、講座によっては登録講習を実施しているところもあるので、講座選びの段階で見ておくと無駄がありません。
まとめ
- 5問免除は登録講習修了者の制度で、免除されるのは施行規則8条の1号(土地・建物)と5号(需給に関する法令・実務)=問46〜50。有効期間は修了試験合格から3年。
- 免除がない人にとって、問46〜50はやれば取れる3問+拾う2問。目標は4点。
- 問46は機構法13条の業務の範囲。「一般の住宅資金は債権を買い取る/災害・省エネ・高齢者向けなどは自ら貸す」の切り分け。
- 問47は表示規約。徒歩80m=1分(端数切り上げ)、新築は建築後1年未満かつ未入居、市街化調整区域は16ポイント以上で明示。
- 問48は直前に数字を入れる。問49・50は過去問だけで深追いしない。
次の1アクション
今日は問46(住宅金融支援機構)だけを、上の図4を見ながら過去問5年分回してください。範囲がいちばん狭く、最初の1点になりやすいところです。 → 宅建GYMの一問一答をはじめる(無料・登録不要)
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