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「正しいものの組合せはどれか」と書かれた瞬間に身構える人は多いはずです。ア〜エの4肢が並び、選択肢はその組。全部わからないと答えが出ない気がして、時間を溶かしてしまう。
ところが組合せ問題は、4肢すべてを判定する必要がありません。多くの場合は2肢、運がよければ1肢の判定で答えが1つに決まります。しかも「どの肢から手をつければ早いか」は、問題文を読む前に、選択肢の並びを見るだけで決まります。
この記事では、①組合せ問題と個数問題の構造的な違い、②選択肢の並びから「先に判定すべき肢」を決める方法、③本番での手順、を順に整理します。
宅建の組合せ問題とは(個数問題との違い)
宅建士試験は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構が実施する50問・四肢択一式の筆記試験です(登録講習修了者は一部免除)。4つの選択肢から1つを選ぶ形式そのものは全問共通で、違うのは選択肢の中身の作り方だけです。
ここを混同したまま「組合せ問題は難しい」と思い込んでいる人がかなりいます。まず、次の3タイプを分けてください。
| タイプ | 聞かれ方 | 答えを出すのに要る判定 |
|---|---|---|
| 通常の四肢択一 | 正しいものはどれか | 1肢を確定できれば当たることがある |
| 組合せ問題 | 正しいものの組合せはどれか | 2肢の確定で決まることが多い(1肢で決まる場合もある) |
| 個数問題 | 正しいものはいくつあるか | ア〜エの4肢すべてを確定させないと答えが出ない |
つまり組合せ問題は、個数問題より構造的にやさしい形式です。個数問題は消去法が原理的に使えませんが、組合せ問題は消去法がそのまま効きます。「ア〜エが並んでいる」という見た目が個数問題とそっくりなので、同じ重さの敵に見えているだけです。
個数問題のほうの解き方は宅建の個数問題とは|「いくつあるか」の解き方と失点しない手順にまとめています。同じ「ア〜エ形式」でも、手の動かし方はまったく違います。
出典:不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」(2026年9月時点)。
解く順番は「肢の登場回数」で決まる
組合せ問題を開いたら、肢の中身を読む前にやることがあります。4つの選択肢を見て、ア・イ・ウ・エがそれぞれ何回登場するかを数える。これだけです。5秒で終わります。
たとえば選択肢が次のように並んでいたとします。
この並びなら、アを「誤り」と確定させた瞬間に答えが4に決まります。アを含む選択肢は1・2・3の3つで、それが全部消えるからです。肢イ・ウ・エは読む必要すらありません。
逆に、エを「正しい」と確定させても答えは3に決まります。エを含む選択肢は3しかないからです。登場回数が偏っている問題ほど、1肢で終わる可能性が上がります。
◯で切るか、✕で切るか
ここが組合せ問題の中心にあるルールです。言葉にすると、たった2行しかありません。
登場回数が均等な並び(たとえば ア・イ/ア・ウ/イ・エ/ウ・エ)でも同じ考え方が使えます。この並びは各肢が2回ずつなので、1肢を確定させると必ず2択まで落ちます。
そこから残った2つを見比べ、違いになっている肢だけを判定すれば決着します。全部で2肢。3肢目・4肢目は最後まで読まなくて構いません。
| 選択肢の並び | 登場回数 | 最短で決まる手 | 要る判定 |
|---|---|---|---|
| ア・イ/ア・ウ/ア・エ/イ・ウ | ア3/イ2/ウ2/エ1 | アを✕にする、またはエを◯にする | 1肢 |
| ア・イ/ア・ウ/イ・エ/ウ・エ | 各2回で均等 | どれか1肢を確定→残り2択の差だけ判定 | 2肢 |
| ア・イ/ア・ウ/ア・エ/イ・ウ(アが◯だったとき) | 同上 | 3択が残るので、イかウをもう1つ確定 | 2〜3肢 |
もう一つ、見落としがちな確認があります。4つの選択肢のどこにも登場しない肢がまれにあります。その肢は、答えに一切影響しません。読む前に見つけられれば、まるごと1肢ぶんの時間が浮きます。
本番での手順:5ステップ
ここまでを、本番でそのまま実行できる形にします。順番を変えないことが大事です。
- 問題文の最後を先に読む。「組合せはどれか」なのか「いくつあるか」なのかで、手の動かし方が正反対になります。冒頭から読み始めて最後の一行で気づき、読み直すのが一番もったいない時間の使い方です。
- 肢を読む前に、選択肢の登場回数を数える。ア・イ・ウ・エの横に回数を書き込みます。ここで「最多の肢」と「最少の肢」に印を付けておきます。
- 最多の肢から読む。それが✕なら大量に消えます。◯だった場合も、そのまま次の候補(最少の肢)に移れば無駄になりません。
- 確定できた肢だけで、消せる選択肢を消す。残りが1つになったらそこで終了。2つ以上残ったら、その差になっている肢だけを次に読みます。
- 2分で決着がつかなければ飛ばす。組合せ問題も配点は他と同じです。時間配分の考え方は宅建試験当日の持ち物・時間配分・解く順番にまとめています。
なお、問題冊子への書き込みを禁じる規定はありません。試験案内で書込み不可と明記されているのは受験票です。回数のメモも◯✕も、冊子に堂々と書いて構いません。
先に判定する肢の選び方
「最多の肢から読む」と決めても、その肢がどうしても判定できないことはあります。そのときは、切りやすい肢に乗り換えます。切りやすさは中身で決まります。
- 数字が入っている肢。2週間・1か月・3か月・10分の1・10分の2のような数字は、合っているか間違っているかがはっきりします。曖昧に感じる肢より先に処理できます。
- 主語が入れ替えられている肢。「都道府県知事」なのか「国土交通大臣」なのか、「自ら売主」なのか「業者間」なのか。主語は覚えていれば一瞬で切れます。
- 語尾が言い切りになっている肢。「〜しなければならない」「〜することができる」の取り違えは定番の作り方です。ここだけを見に行くと判定が速くなります。
この3種類は、そもそも誤り肢が作られるときの入れ替え箇所です。作り方のパターンを先に知っておくと、読む前から狙いが定まります。詳しくは宅建業法の「引っかけ肢」総まとめ|数字・主語・期限の入れ替え6パターンで整理しています。
逆に、判例の結論を問う肢や計算が必要な肢は後回しが基本です。時間あたりの確定率が低いので、他の肢で決着がつくならそもそも読まずに済みます。
組合せ問題の練習のしかた
組合せ問題そのものを集めて解く必要はありません。必要な力は肢単位の◯✕判定で、それは一問一答とまったく同じ能力だからです。
- ◯×の一問一答で、肢を1本ずつ確定させる練習をする。組合せ問題は、この判定を4本まとめて出しているだけです。
- 正解した肢にも「自信あり/なんとなく」を付ける。「なんとなく◯」は、組合せ問題では消去に使えません。使える確定だけを増やしていきます。
- 過去問を解くときに、登場回数を数える癖をつける。数える動作は5秒です。模試の段階で習慣にしておけば、本番で考えずに手が動きます。
独学で肢の判定精度が上がりきらないと感じる場合は、講義で要件の切り分けを一度通しで浴びたほうが早いこともあります。費用と学習スタイルで比べてみてください。
まとめ
- 組合せ問題は消去法が効く形式で、4肢すべてを判定する必要はない。個数問題とは構造が違う
- 肢を読む前に、選択肢の中で各肢が何回登場するかを数える
- ◯と確定した肢はそれを含まない選択肢を消し、✕と確定した肢はそれを含む選択肢を消す
- だから登場が最多の肢は✕、最少の肢は◯が効く。うまくいけば1肢、多くは2肢で決着する
- 切りやすいのは数字・主語・語尾の肢。判例の結論と計算は後回し
次にやることは1つだけです。手元の過去問を開き、組合せ問題を1問見つけて、肢を読まずに登場回数だけ数えてみてください。どの肢から読むべきかが、読む前に決まる感覚がつかめます。
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